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先日届いて以降、沢山のご来店・お問合せを頂いておりますS409xxx WW-2モ … 続きを読む
ONE PIECE of ROCKの大戦モデルや、同生地の46(亜洲’S別注)が立て続けに入荷しながら、改めて注目して頂きたいA01XX。生地、縫製はCONNERS SEWING FACTORY、ご覧の革パッチ、赤タブ、ギャランティーチケットは当店オリジナルです。
タテ落ちする大戦モデルのムラ糸と違って、A01XXは太さがある程度均一な糸、デニムなので、現代的な色落ち(面で色むらが起こる)が楽しめます。
今日の記事では、大戦モデルとA01XXとの違いを見ていくことにします。どちらのジーンズにも個性がちゃんとあることが、お分かり頂けると思いますよ。
↑(左)大戦モデル (右)A01XX。デニムの色が異なり、大戦モデルは黒っぽい濃紺。
股上、腰周りは、A01XXの方がゆとりのあるパターン。(1-2インチほど大きく感じます)
↑大戦モデルの面構え。黒々とした濃紺デニムは端正な顔つき。ムラ糸による生地色の微妙な濃淡が。ウォッチポケットにリベットが無いのに気付きましたか?(大戦中、物資統制、節約の影響)
↑A01XX 大戦モデルより股上もやや深め、どっしりとした面構え。ウォッチポケットのはみ出し方が大戦モデルと違っています。ウォッチポケット上端にはリベットが打たれていますね。
↓大戦モデルのウォッチポケット、リベットがありません。前ポケットからのオフセットも大分上に。
↓A01XXのウォッチポケット、リベットがあります。前ポケットとのオフセットは控えめ。
↓(左)A01XXデニム (右)大戦モデルデニム(ムラ糸)。
ムラ糸では一部に既にタテ落ちのDNAが表出しています。(白い点々)
↓続いて、ボタンフライ、トップボタン脇のV字ステッチ。大戦中はこのように「細V」仕様だったようです。
↓一方、A01XXは開き気味の広いV。(しかし芸が細かい!)
↓今度は、A01XXバックポケットの縫い目を内側から見た画像。リベットの真上にある黒く細かい跡がバータックという閂留の補強縫製です。バックポケットは「道路にトンネルを被せて縫い付けるようなもの」で、最初にトンネルの出口(ポケット入り口)のアーチ両端をバータックで補強します。
黒いバータックの下にリベットの両端から伸びる2本のステッチが、バックポケットの縁によくあるステッチのことです。(リベットは後ろから見えないので、隠しリベットと呼ばれる)
↓一方、大戦モデルは黒いバータックが無く、普通のステッチのみ。これも大戦中の節約ですが、その分補強は弱くなります。
↓バックポケット右下に見える、内側ステッチの鉤>が特徴の、大戦モデル。
↓A01XXでは素直なステッチに戻りました。
現代にこれだけの細かい違いを表現するジーンズ、そうそう無いと思います。
しかも当時と同じ、ヴィンテージミシンを駆使しての縫い上がりです。
その違いを確かめに来ませんか?
店舗名 Ashoes メンズセレクトショップ 亜洲’S アシューズ
所在地 330-0845
埼玉県さいたま市大宮区仲町3-102-1 1階
電話番号 048-650-7008
メールアドレス support2@ashoes.co.jp
ホームページURL http://www.ashoes.co.jp
↑【ワイドシルエット チノパン】
BUZZ RICKSON’S バズリクソンズ EARLY MILITARY CHINOS 1942 MODEL BEIGE(01)
米軍の制服に採用されたチノパンが現在の形に落ち着いた1942年当時の軍支給品を復刻したモデル。1942大戦モデルが起源のチノということになります。(写真は同社の品質検査証)
ジーンズ同様に、チノに関する歴史も相当に長いものがあるようです。
ここでは長く書きませんが、そのエッセンスだけを書き出すと、
1.チノの起源
1890年頃に英国がインドで作っていた通称”カーキ”は、10年後に米軍が中国生産分の採用を決めた際に、中国(China)を意味するスペイン語の音から”チノ”と呼ばれるようになった。
2.1941年
米軍の将校に穿かせる為に、高級感ある光沢や生地感、ディテールなど整備し、そのスタイルが完成したのが1941、42年頃と言われています。この「41カーキ」が現代のチノパンの完成形、原型と言われる所以です。(上のバズリクソンズは1年後1942年モデルを踏襲)
3.70年代にファッション化 映画、プレッピー、日本にも
米軍将校の制服、光沢ある生地感という素質からも、チノパンはミリタリー、紳士の正装トラウザー、ファッションをいずれも満足させるボトムとして汎用性が高まりました。
その後もレプリカブームなどで、チノ(特に大戦モデル)を穿く意識は高まり、広まったのです。
ということで、チノパンはジーンズに次ぐボトムとして認識されているのです。
戦後(1945)の混乱期から、スカジャンなどで米軍と取引を続けた東洋エンタープライズ社のバズリクソンズだけに、チノ作りにかけても経験と実績が裏付けられています。
ここからは、その特徴を簡単にご説明しましょう。
BUZZ RICKSON’S バズリクソンズ EARLY MILITARY CHINOS 1942 MODEL BEIGE(01)
↓トップボタンに刻印された “US ARMY”。軍服だったチノを静かに語るデザイン。
↓センターの丁寧な巻き縫いから左にオフセットされたベルトループ。戦中戦後のヴィンテージジーンズにも見られたディテール。巻き縫いは2本針。
↓斜めに入るスラントポケットも、大戦当時のディテール。
↓ポケット口は両玉縁仕様。高度な技術を要する丁寧な縫製です。
70年代の映画で、ラルフローレンを女優に穿かせてから広まったチノパンファッションというのも、リアル感があってわくわくします。その模様をイラストにしているのは、イラストレーターでも有名な 石川三千花さんです。映画の金曜ロードショーでも、上演後にワンシーンを切り取った鋭い視点が好きだったなぁ。
(下の画像左、ダイアンキートンが穿くパンツがチノです)
(絵ほか 出典:FASHION & CINEMA ファッションと映画とニューヨーク Vol.2 2015.5.7 UP)
http://www.newyorker.co.jp/magazine/lifestyle/2814/
ということで、歴史あるバズリクソンズのチノパンは、3つのシルエットを用意しています。
チノパン>http://www.ashoes.co.jp/fs/ashoes/c/kind38
店舗名 Ashoes メンズセレクトショップ 亜洲’S アシューズ
所在地 330-0845
埼玉県さいたま市大宮区仲町3-102-1 1階
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メールアドレス support2@ashoes.co.jp
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↑ONE-PIECE OF ROCK S409xxx M-46; The Original大戦デニム、1946年仕様参考モデル、亜洲’S限定発売 >埼玉大宮店のみの販売です。(ネット、通販なし)
ポケット裏スレキへのロットナンバー。
↓そして、この存在感です。
Lightning 7/2016号に掲載されたONE PIECE OF ROCK, 大戦モデルと同じ生地で、パターンやディテールを違えた1946年モデルが、亜洲’Sに到着しました。完全亜洲’S限定販売です。
ONE-PIECE OF ROCK S409xxx M-46
ヴィンテージジーンズの色落ちやディテール、存在感は何物にも代え難いと思います。
しかし、何分、骨董品の世界なので希少性、高額であって、生地の傷みもあろうことから現実的ではありません。
ジーンズにしっかりとしたストーリー性があって、それがジーンズの顔、細部に現れているとすれば、基本性能(色落ち、セルビッジデニム、生地感と生地厚ほか)さえ満たしていれば、満足がいくことでしょう。
この、「拘りエネルギの高いジーンズ」を定義すれば、
1.色落ちを期待させるデニム生地:できればムラ糸、厚い生地、濃い染め、セルビッジ
2.大戦生地と大戦ディテール
3.そしてそれらの製作工程(糸、染め、織機、縫製)の深さ
4.ジーンズの仕上がりと面構え、存在感
だと思いますが、4は結果として、残りの1,2,3は仕事のプロセスです。手を抜く、あるいは外部調達すれば仕事が早く進みますが、ONE PIECE OF ROCKは違います。
1.⇒糸、染め、織機について、職人と仕事をしている(The Original denim, 大戦モデル用開発)
2.⇒高価な、希少なヴィンテージジーンズを解体分析している(糸ゲージ、撚り、染め分析と製造条件煮詰めまで)
3.⇒ヴィンテージミシンを調達、調整、実働させて、一人の男の手で縫い上げている
(つまり、当時の縫製ステッチ+当時のミシンで、当時の製法を追いかける仕事)
この仕事が、”The Original” と言わしめる所以です。
更にディテールをいくつかご紹介しましょう。(楽しいですよ ^^)
↑大戦モデルのウォッチポケットはリベット留めではなく、本縫いで留めている(小ポケット上端にリベットが無い)
↓一方、46モデルは、物資統制が解けてリベットがまた採用されていたようです。(それを再現)
↓大戦モデルのバックポケットは、バータック(閂留め)ではなく本縫いにより、表側ステッチが二本になっているのが見える。
↓一方、46モデルはバータックに戻されている。(右リベット上部に閂の縫い跡が)
↓バックポケットのステッチ(右下)が鉤型>になっているのが大戦モデル
↓大戦モデルの前ポケットサイド(アウトシーム側)のステッチは、左右で長さが異なる
(写真では左が大分長い)
このように、戦中の大戦モデルと、その後のモデルとではディテールにも違いがあり、大変面白い。興味を持っていただければ幸いです。
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