これは ”JAPAN JACKET BOOK” という写真集です。TAILOR TOYOとはテーラー東洋、東洋エンタープライズ社を指していますが、その目次を開いてみます。
2行目に “SOUVENIR OF JAPAN” という文字が見えます。大戦後に日本に進駐した米軍の、まさにお土産 souvenir となったのがスカジャンでした。今でさえアメカジのジャンルに含まれて理解されていますが、スカジャンは正真正銘、「日本人が発明した JAPAN JACKET」なのです。
スカジャン誕生秘話については様々なメディアで話題になりますが、そこは本拠に譲りたいと思います。⇒http://www.toyo-enterprise.co.jp/tailor_toyo/about_001.html
さて、ファッションに話を戻します。歴史の通りに戦後からあるスカジャンですが、20-30代の方にとっては初めて見る華やかなジャケットだと思います。
これは2016SSシーズンに、特に世界のラグジュアリーブランド(サンローラン、グッチ、ルイヴィトン、ヴァレンティノら)がこぞって、このスカジャンをコレクションに登場させてから再燃したトレンドだと考えます。今年後半にかけては、多くの追従するブランドがスカジャンをリリースしてきました。
それでは、戦後からスカジャンを作り続けるテーラー東洋の実力を見てみましょう。
<スカジャンの父の言葉@テーラー東洋>
1.今でも横振り(手振り)ミシンの工程を残し、手の混んだ仕事をしている
2.一口にアセテート使用と言っても、程よい光沢やヌメリ感、経年したときの味など、「選ぶアセテート」の仕事が出来るのも、長年の経験のなせる技
3.多くの図案、Archiveを保管・維持するからこそ、古き佳きデザインと現代のバランスを作ることができる
1.について、youtubeなどで職人の仕事ぶりを調べてみると、とても恐ろしい(失礼!)作業である。太い刺繍針がむき出しのミシンで、ある触れ幅で針が刺繍糸を打ち込んで行くのだ、添える指先とは1cmないぐらいの近距離、しかも物凄いスピードで。(怖)
職人が語るには、下絵の通りに縫うだけでなく、色の重ねと美しさ、洗濯時の刺繍の耐久性をトータルで考えて、所々に追い刺繍を加えています。
2.については長年、アセテートのバラつきや特性を見抜いてきた東洋しか、選べず、要求できず、見抜けない本質かもしれません。そもそもアセテート衣類を他に見かけません。
3.についても同様。他のブランドではどことなく刺繍の虎が痩せていたり、龍が優しい、鷲がとんびのように見えたりするものがあります。図案から刺繍を施しながら、進駐軍に喜ばれる強いイメージに昇華していった結果なのだと思います。これも長年の経験と技、図案の真価でしょう。
スカジャンはよく選んで、テーラー東洋を忘れないでおきましょう。
経年変化の極意もあるのですから。(そこはまた、着て数年経ってからお話しましょう)
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